冬の終わりに

その年に初めて見掛けると春がやって来た喜びを感じて、夏には当たり前のように飛び回っていて、でも秋になるといつの間にかいなくなってしまうツバメ。そんなツバメの姿が遠く小さくなっていっても、見えなくなるまでずっと手を振っていたいな。今年の秋はなぜかそんな気持ちでした。最後の一羽を見届けようと思いながら空を見渡していた10月の終わり、一羽で飛んでいるのを見たのが最後でした。

スクールMARIKOがスタートして二年目から、スタッフとしてずっと一緒にスクまりの運営をお手伝いしてきた松本さん。松本さんの職場はスクまり会場として使うカラコロ工房のすぐ近く。準備や片付けの度に本棚や書籍、預かって下さっていたグッズや備品など大量の荷物を台車に積んで、職場と会場を何回も往復したり、急遽必要になった物品や用事があってもテキパキと手配をしてくれたり、打ち上げ会場も馴染みのお店を紹介してくれたり、ほんとに松本さんにはいつもいつもお世話になりっぱなしでした。困った時には松本さん。松本さんがいなきゃ本当に大変だよねと、スタッフ仲間はいつも感謝していました。僕の奥さんや息子にも気さくに声をかけてくれました。

そんな松本さんとのお別れは突然でした。突然過ぎて気持ちの整理も付かず、写真の中で笑っている顔を何度も見返したり、まだ耳に残っているちょっとしゃがれた声を思い出す度に、悲しみと寂しさが溢れます。今は悲しくて寂しくても、季節が巡ってまた春がやって来てたら、空を見上げて松本さんのとびっきりの笑顔を探します。顔を合わせておしゃべりしたり、一緒に過ごす時間は無くなってしまったけれど、松本さんはこれからもずっとスクまりの仲間です。松本さん、ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

松本さんが亡くなってすぐ、書きとめていた文章です。
今年最初にやって来るツバメにちゃんと挨拶ができるように空を見上げながら、今年も始まったスクまりの準備を仲間と一緒に進めようと思います。

スタッフ 森田勉

カテゴリー: 未分類 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください